認知症?家族だから気づけないことがある

介護の知識

今回は、認知症の初期症状から家族だからこそ、気づけない理由をについて実際に経験した出来事からお伝えしていきます。

「うちの親は昔からこんな人だから」と思っていませんか

「うちの親は昔からこんな人だから」

「うちの親は認知症にはならないから」

そう思ったことはありませんか。

人から見ると「認知症では?」と思うことでも、家族にとっては当たり前の日常です。

だからこそ、認知症の小さな変化は見逃されやすいことがあります。

認知症とは?

少し難しい言い方にはなりますが、単なる物忘れではなく正常な発達を遂げた後に脳の病的変化によって記憶や判断力などの機能が低下し社会生活に支障をきたした状態。

もの忘れの違い

「加齢による物忘れ」・・・脳の老化が原因でおこり、忘れていても少しのヒントで思い出すことができます。

自覚もあり、進行性ではなく日常生活に支障をきたしません。

「認知症による物忘れ」・・・脳の神経細胞の急激な破壊により起こり、物事全体がすっぽりと抜け落ち、ヒントでも思い出すことができません。

自覚がなく進行性で日常の生活に支障をきたします。

主な認知症の種類と特徴

特徴的な症状経過
アルツハイマー型認知症(67.6%)・認知機能障害(もの忘れなど)
・物盗られ妄想
・徘徊
・とりつくろい など
初期は昔の事はよく覚えており、最近の事は忘れています。
徐々に進行し時間や場所の感覚がなくなったり、状況に応じた判断困難
血管性認知症(19.5%)・認知障害
・手足のしびれ・麻痺
・感情のコントロールが上手くいかない など
脳梗塞や脳出血党の疾患が原因で段階的に進行していく。
脳に障害を受けた部位により症状が異なる。
レビー小体型認知症(4.3%)・認知機能窓外(注意力・視覚など)
・認知の変動
・幻視・妄想
・抑うつ
・パーキンソン症状(手足の震え、歩幅が小刻み)
・睡眠時の異常言動
調子のよい時と悪い時を繰り返しながら進行していく。

認知症の初期症状は?

  • 物忘れがひどい
  • 判断・理解力が衰える
  • 場所・時間がわからない
  • 人柄が変わる
  • 不安感が強い
  • 意欲がなくなる

例えば、電話の相手を忘れる、同じことを言う、物が盗まれた、新しいことが覚えられない、テレビの内容が理解できない、約束を間違える、怒りっぽくなった、頑固になった、失敗は人のせいにする。

まだまだあります。

ひとりになるのを寂しがる、外出時の持ち物を何度も確認、「頭が変になった」と訴える、身だしなみを構わなくなった、趣味やテレビに興味を示さない、何をするのも嫌がるなどの例が挙げられます。

この初期症状は自分に当てはまったり、自身の親にも当てはまることはありませんか?

この中の複数の言動がある場合は認知症の初期症状かもしれません。

「うちの親は昔からこんな人だから」

実際の出来事

以前担当していた方ですが、家族が気付いた時には退職金を含む貯金がなくなっていました。

私が担当させて頂いた女性は昔、公務員として働きながら忙しく家事をこなされていました。

娘さんが幼少の頃からレジでお金が足りなくなり商品を戻すことが珍しくなく、成長と共に恥ずかしい思いをしていたそうです。

管理することが苦手なのかな?忙しいから仕方がないと感じていたそうです。

お母さんは定年退職後、お金に余裕があり好きな事をして生活しており「お金を貸して」と言われても手持ちがなく、子供の頃よく見た光景なので昔と変わらないなと感じている程度でした。

もの忘れがあるかなと思う事もあったが、年相応の物忘れ。

冷蔵庫には賞味期限の切れた同じものが溜まっているけど、また買い過ぎたのかな?賞味期限が見えにくいのかな?

今は禁止されているけど訪問販売で購入した健康器具、羽毛布団が家に増えていく。

家の改修となり、さすがにおかしいと感じた娘さんが確認したところ貯金はほとんどなくなっていることが分かりました。

家族だからこそ気付きにくい理由

振り返れば「おかしい」と感じる小さな違和感があったが、「お母さんは昔からこういう人だから」と娘さんの中で完結していたそうです。

公務員として長い間、子育てや家事をこなしており退職後は自分の時間を楽しんでいるお母さんとして見ていたそうです。

少し管理は苦手だけど、しっかりとしたお母さん。

まさかお母さんが「認知症になるなんて⁉」

娘さんはすぐに主治医に相談、専門医を受診し介護保険を申請

家の改修を無効にするために、認知症の方が行った契約を無効にする手続きを進めました。

認知症の方の契約行為を無効にする方法については、クーリングオフ以外にも色々とあります。

またご紹介をさせていただきます。

認知症の診断、認知症の前段階の経度認知障害と診断された人は65歳以上で3人に1人

認知症は、誰もがなりえます。

早期診断、早期治療につなげるためにも初期症状に気付いたら悩まず専門医や専門家に相談しましょう。

認知症と診断されたら

不安を抱く方は多いのではないでしょうか。

もの忘れがあるからといって「認知症と診断された」事を忘れるわけではありません。

多くの方が認知症を漠然と知っており、自分が診断された事で不安を口にされる方もいらっしゃいます。

家族に迷惑をかけるのでは。

不安を緩和するためにも、受診をしたり「認知症の人と家族の会」や「認知症カフェ」など住み慣れた地域での交流の場を持つことも大切かと思います。

地域の方と上手く関わっている方もいらっしゃいます。

仕事柄、自転車で配達をしていた男性は認知症になり仕事を辞めてからも朝から夕方まで自転車に乗って近所へ出かけていました。

仕事をしていない事は覚えていないが、体は元気。

以前のように自転車に乗っている時は笑顔で機嫌もいい。

私もその姿を何回も見ていました。

若い頃は今のように笑顔で、近所に自転車のって配達に行っていたのが想像がつきました。

家族は四六時中、ついてはいられない。

近所に認知症と伝え、家と反対方向に向かっている時は声をかけ自宅に変える時間と伝えてもらう。

近所の方に家族の連絡先も伝えています。

認知症と診断された後も地域で以前と同じような暮らしを継続されている方もいらっしゃいます。

私自身も両親が高齢になり、体力の衰えのある中で以前と同様な生活を続けたいという思いを聞く機会が多くなっています。

認知症に限らず、高齢になり以前できたことが行いずらい心身の変化への不安は誰にでも訪れる事なのでしょう。

公的な機関だけでなく、近所の方の理解により自分らしく暮らしている方もいらっしゃいます。

「認知症」は一人ひとり違う

認知症は色々な症状があります。

進行も人によって異なり、個々の得意、不得意、元々の本人の資質など人によって症状も違います。

家族だからこそ気付けないことがあります。

それは決して珍しいことではありません。

毎日一緒に過ごしているからこそ、小さな変化が日常に溶け込んでしまうこともあります。

だからこそ、一つの出来事だけではなく、「以前との違い」を少し立ち止まって振り返ってみてください。

もし気になる変化が続くようであれば、一人で判断せず、かかりつけ医や地域包括支援センターなどに相談することも大切です。

介護に正解は一つではありません。だからこそ、「よりみち」では、少し肩の力を抜いて介護と向き合えるヒントを、これからもお届けしていきます。

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